ベルリン日記(7)
えー、本日が終日ベルリンにいられる最終日となっております。
今日は師匠から「何かあれば連絡しますから」っていうことだったので、とりあえず、ホテルの無料バスがあるってことなので、それに乗ってポツダム広場へ。えーと、ポツダム広場とポツダム(街)は違うところにあります。はい。ポツダム広場は、ベルリンの第二の中心地ってところでしょうかね。東京にたとえれば、AlexanderPlatzが新宿なら、渋谷とか池袋とか、そんな感じ。距離的にもそれくらいの距離なので、東京と似てますね。ただ、新宿みたいにごちゃごちゃしていない、というのがよい。それがよい。で、こっちの店はだいたい11時に開店するらしい。仕方がないので、ソニープラザにある、映画ショップ(正式名称はShopだけなんだけど、映画関連のものとか、センスの良い文具がある)に入ってみる。開店が10:30ということだったので。
入り口まで来たら、電気がついていなかったので、ガードマンというか受付のおじさんに、「ちょっと早かったですかね?」と聞いてみたら、「時間だから入ってみればあけてくれるよ」と気楽なお返事。
入ってみた。「ちょっと早かった?」と店員の女性に聞いてみたら、「いやいや、時間だから問題ないわよ」ってなことで、1番客。えーっと、すみません。こんな三十路前の日本人で。なかなかセンスの良いグッズを購入。で、トランプの神経衰弱(って、今考えると、この名前もすごいな・・・差別用語っぽい臭いがするけど)専用のカルタが。実は、「これ、なに?」って聞いたら、ゲームの名前(つまりドイツ語で「トランプの神経衰弱」)を教えてくれたのだけれど、よくわからない、といったら、封を開けて実際に見せてくれた。うわー、おもしろい。これはよい。それも買うよ、と購入。
で、BMWのショールームみたいなのがあって、解説用の「名刺サイズCD-ROM」を手にとって、「もらってもいい?」と聞いてみたら、「いいけど、ドイツ語の情報しかないよ?それでもいい?」と教えてくれた。「全然気にしない。記念にもらっていくよ」と、あんまり車には詳しくないので、どなたか、車の好きそうな方々にプレゼントすることにしましょう。
さて、ソニープラザ開店。一気に20人くらいがなだれ込む。日本人はいなくて、日本語も通じない。ただ、商品は世界共通らしく、日本語で「ワイヤレスマウス」とか、ちゃんと書いてある。
んー、家電は電源の問題があるので、あんまり使えない。なので、CDを物色してみた。良さそうなCDがあったので、それを選んで、カウンターに並んでみたところまでは良かったのだが。
えー、身長はオレより頭一つ分大きくて、体重はオレの1.5倍くらいありそうで、黒のスーツでびしっと決めた、金色のネックレスがアクセント、という「わかりやすいその筋」のダンディが、「おまえ、それ買うのか?」とドイツ語で。「はい。その通りであります」と答えたら、「レジ、あっちだぞ」。
ちょっとほっとして、レジへ。「あと3ユーロで免税になるんですが」ってことで、単3乾電池が2本で3ユーロ。ちょっと高くないか?とは思うのだが、SONYってかかれた乾電池はブランドものらしいので、まぁ、記念というか、なんというか。もっと言えば、免税って言われても、どれくらい税金が戻ってくるのだろう?
まぁ、これも何かの記念ですから。ということで、無事に処理完了。
引き続いて、メインの目的地である文具屋へ。小物をあさっていると、店員さんがカゴを持ってきてくれた。んーと、買い物カゴなんだけれど、金属製。この辺もセンスが光ります。さすがオレが目をつけた文具屋だけのことはある。
で、「日本から来たんだけれど」と英語で言ってみたら(というのも、カゴをお持ちしましょうか?と行ってくれたのが英語だったから)、「昨日も2人ほど、日本人の女性が来てたよ」と教えてくれた。なので、オレがなんでここに来たのか、ってなことを説明。「この雑誌に、この店が紹介されていたんですよ」と、実際に雑誌を取り出して説明する。「あら、本当?」と店員さんが集まって眺め始めた。他のお客さんがレジに来ると、「ちょっとごめん」とレジに行って会計をする始末。遠く離れた日本で、1ページの紹介が出ているというのは、確かに彼らにとっては「遠い国の話」なのかもしれない。なので、「必要ならコピーをとっておけばいいよ」と、店員さんを放置して、ブツを物色。
すごい。日本とは格が違う。文具専門店だから、ちょっと中世な感じも漂う店内で、商品すべてが何かを主張していて、すごくいい感じのお店。海外からの買い付けは、これで決定だな、と思わせる。
オレがブツを物色していると、わざわざ案内までしてくれて、「これはこういうもので、これはこういう風に使うのよ」と英語で説明してくれる。うん、文房具の取り扱い説明書って、普通ついてこないから、だいたいわかるんだけれど、ここは親切なんだろうと、「へぇ」とか「なるほど」と相づちを打っておく(おい)。「誰に送るの?」「どういうものがいいの?」と相談に乗ってくれるので、店員さんのセンスにお任せしていると、グッとくるものが。ベルリン限定の熊のプリントが入ったボールペン!「ベルリン向けにわざわざ作ってもらっているのよ」と、ちょっと得意げな店員さん。衝撃のブツを見つけて小躍りしている三十路前の日本人。我ながら、アホであります。はい。隠しません。アホです。
そのうち、他のお客さんがいなくなったら、店員さんがみんな集まってきて、「このページ(その店の紹介文が書いてある)、なんて書いてあるのか教えてくれよ」というので、「英語でしか説明できないよ?」と断って、一文ずつ丁寧に英語で説明。「ごめんね、ちゃんと翻訳できればよいのだけれど、ちょっと間違っているところがあるかもしれない」と断ると、「いやいや、十分だ。オレが日本語を話すよりもずっと上手だよ」と偉い人なんだろうひげを蓄えたおじさんがほめてくれる。
「この店のソーセージ、有名だよ、ぜひ行ってごらん」と、今度は地元の人でも有名なソーセージ屋(っていう店ができるのもドイツだからなんだろうな、たぶん)を教えてもらう。が、時すでに遅し。土曜日は午前中で店じまいらしい。「あー、じゃ、来年くるよ」と行っておく。いや、来年こなければならないのだ!と、勝手に決心(実現できるかどうかは不明)。
「必要なら、コピーしておくといいんじゃない?」と進めたら、ページをコピーするために、案内してくれた店員さんは奥に引っ込んだ。そのスキに会計。で、雑誌を返してもらったのだけれど、白黒コピーだったので、「日本に戻ったら、カラーでスキャニングして、メールで送るよ。そうすれば何度も印刷できるでしょう?」ってなことで、お互いに名刺交換。
ここで、またもサプライズ。ベルリンの熊がかかれたボールペンに、わざわざ革製のケースをつけてくれた。「特別に」とのこと。実はセットで売られていたのではないか、なんて無粋なことは言わずに、素直に感謝するのが、国際的な礼儀というものです。はい。
付加価値税払い戻しの手続きもしてもらい、「来年も会いましょう!」というご挨拶をして、再びポツダム広場へ。ここでは、是非とも見ておきたいものがあった。それは、ソニープラザでも、BMWでもなく、文具屋の次に見ておきたかったもの。戦争と分離、そして独立の過程。ホロコースト記念碑。単なる墓石みたいなのが、ずらーっと並んでいるだけ。それ以上の意味は、どうやら存在しないらしい。宗教色を排した、というのがその理由。腰掛けられる高さから、どう考えてもベルリンの壁より高い石まで。長さと幅はすべて同じで、高さだけが違う、均等に並べられた石。巨大迷路、みたいな雰囲気もあるのだけれど、無機質に均等に並んだ石は、もちろん墓石(ただ、もちろん数にも意味はないらしい)っていう感覚なので、「墓地」みたいな雰囲気はあるのだけれど、石がすべて同じだけに、ものすごく整理された恐怖を感じる。
と、ここで自然の摂理が。ううむ。日本の地下鉄と違って、ベルリンの地下鉄にはトイレがない。本当にない。改札はなくてもいいから、トイレくらい作ってほしいのだけれど、本当にない。と、すぐそばにSUBWAYがあったので、トイレに駆け込む。
・・・・・満室(といっても、個室は1つしかなかった)
すぐに引き返し、道路の反対側を見ると、ベルリンの熊がたくさん展示されている。これは自然の摂理に反して写真を。あの「何かを持ち上げている熊」は、実は「力強さ」を表しているのだ、と、そういえば先ほどの文具屋の店員さんに教えてもらったことを思い出す。頭の中に流れている曲は、もちろん、「森のくまさん」。
♪あるーひ ベルリンで くまさんに であーった。
♪それでも トイレまで がまんでーきーるーかーなー。
手早く写真を撮影。で、トイレの記憶をたどる。えーっと・・・・AlexanderPlatzまで行けば、トイレはある。チップ制。それがだめでも、デパートにもトイレはある。
トイレ目的に地下鉄に乗り込み、約10分。時間との戦いであります。
チップトイレはあったのだけれど、残念ながら50セントのコインがない。20セントとか10セントはあったんだけれど。近くのコーヒースタンドで「両替できない?」と聞いたら、「だめだよ」と冷たい答え。えー。
こういう時の時間の流れは自分の中ではものすごく長い時間に感じられるわけですが。デパートに入って、トイレを確認すると、2F(つまり3F)にあるらしい。エスカレータに乗って、じっと我慢の子。
目的地に到着!と思ったら、めっちゃ混んでる!しかも満室で並んでる!!身の危険を感じつつ、「森のくまさん」がエンドレスで流れる。
♪ところが トイレは 個室まで 満室
♪誰か出ないかなー イヤな汗かーいーてーるーよー
と、個室が開いた!駆け込むオレ。
♪あらsugaken よかったね トイレに 間に合った
♪ららららーらーらーらーらー ららららーらーらーらーらー
ふう。と、このトイレは掃除のおばちゃんがいる「チップ制」。ええ、駅前のチップ制トイレは、50セントのコインを入れてバーを押す方式。つまり、入場料が取られる。が、ここのトイレは適当にコインをおいておけばよい。ふぅ、おばちゃん、アンタが神に見えるよ。キリスト教ではないけれど。
で、12日に開店して、エスカレータの側面ガラスが壊れるほど人があふれた、というALEXAっていう新しいデパートに、気分一新、歩いていくと・・・・警察が来てる。初日の騒ぎで、かなり警戒している雰囲気。
じゃ、入ってみれば・・・・えええええ、入場に15分以上かかるの??事前のチラシを見ても、それほど安いわけではないのはわかっていて、単なる物見遊山のつもりだったのだけれど、中に入っても黒山・・・・じゃなかった、いろんな色がヤマになった人だかり。えーっと、これ、入ってもゆっくり見ることができない。うん。あきらめよう。と、適当にその混雑を写真に撮って、ホテルに戻ることにする。荷造りもしなければいけないし、また自然の摂理がおそってくる可能性もあったので。
トラムに乗り込み、ホテルまで。えーっと、自然の摂理パート2が。ここまで来たら、ホテルまで自然の摂理にはお引き取り願うしかありません。はい。また、こういう時のトラムが遅く感じるんだ、これが。
ホテルに到着。もちろん、空室あり(苦笑)。ふぅ。で、何が悪かったんだろう?昨日のインド料理かなあ。一番怪しいのは「マンゴーネクター」。微妙にぬるかったし、水っぽかったから、そのあたりなのだけれど、最後は酒をちょっと入れたから、そんなんでもないはずなんだよなぁ。まぁ、自然の摂理に逆らわず、水分を適度にとって安静に、という鉄則に従い、日記を書きながら土産とか荷物の整理を。
あ、帰りの飛行機、座席予約が始まったようなので、早速予約しなければ。
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